廃棄せずに済んだ企業に共通する判断と動き方
― 在庫を“損失”で終わらせないための実務プロセス ―
食品の在庫問題について、
結果が大きく分かれるポイントがあります。
- 同じように余剰在庫を抱えていても
- 片方は廃棄
- 片方は在庫整理で次につなげている
この差は、
仕入れ判断や運の違いではありません。
実際にベジブルへ相談があった事例を見ていくと、
廃棄を回避できた企業には
いくつかの共通点があります。
共通点① 在庫を「失敗」と捉えていない
廃棄を回避できた企業ほど、
在庫が発生した時点でこう考えています。
- 在庫は必ず発生する
- 在庫=悪ではない
- 問題は“どう処理するか”
一方で廃棄に至るケースでは、
- 在庫=ミス
- 在庫=責任問題
と捉えられ、
判断が後ろ向きになりがちです。
その結果、
- 誰も積極的に触れない
- 決断が遅れる
- 気づけば期限が迫る
という流れに入りやすくなります。
共通点② 「全部まとめて」ではなく小さく動いている
在庫をうまく整理できた企業は、
- いきなり全量を処理しようとしない
- まずは一部で試す
という動き方をしています。
たとえば、
- 在庫が10トンある場合
- まずは1トンだけ相談
- 反応や条件を見て次を判断
という形です。
これにより、
- 社内の心理的ハードルが下がる
- 判断材料が増える
- 「選択肢がある」状態を保てる
結果的に、
廃棄一択にならずに済んでいます。
共通点③ 「賞味期限ギリギリ」になる前に動いている
廃棄を回避できたケースの多くは、
次のタイミングで相談が入っています。
- 売れ行きが鈍り始めた
- 期限まで1〜2か月残っている
- 社内で違和感が出た
逆に廃棄に近づくケースでは、
- 残り1週間
- 残り数日
- すでに期限切れ
という状況になってから
初めて動こうとします。
▶ 在庫対応は「余裕があるうち」に動けるかがすべて
これは、どの業態でも共通しています。
共通点④ 「価格」より「継続性」を重視している
在庫をうまく整理できた企業ほど、
- 1円でも高く売る
- 一度で損失を取り戻す
という考えに固執していません。
むしろ、
- 廃棄を防げる
- 倉庫が空く
- 次回以降の相談先ができる
という 中長期的な視点 を重視しています。
結果として、
- 次の在庫発生時も相談しやすい
- 継続的に在庫を整理できる
- 大きなロスを抱えにくくなる
という循環が生まれています。
共通点⑤ 社内で「早めに相談する」文化がある
廃棄を回避できた企業には、
- 在庫が気になったら共有
- 数字が落ちたらすぐ話題にする
という文化があります。
これは担当者個人の問題ではなく、
組織としてのスタンス の違いです。
その結果、
- 担当者が抱え込まない
- 判断が属人化しない
- 外部の選択肢を早く検討できる
という状態が保たれています。
在庫買取を「最後の手段」にしない考え方
多くの企業では、
在庫買取は次のように位置づけられがちです。
- 最後の手段
- どうしようもないとき
- 廃棄の代わり
しかし実際には、
- 在庫を整理するための一手段
- 経営判断の選択肢のひとつ
として使っている企業ほど、
在庫問題を深刻化させていません。
▶ 在庫買取=敗北ではなく、
在庫を次につなぐための判断
この認識の違いが結果を分けます。
在庫問題を「一度きり」で終わらせないために
在庫は、
どれだけ管理しても
完全にゼロにすることはできません。
だからこそ重要なのは、
- 在庫が出たらどう動くか
- 誰に相談するか
- どのタイミングで判断するか
という 再現性のある仕組み を
社内に持っておくことです。
これができている企業ほど、
- 在庫を抱えても慌てない
- 廃棄に追い込まれない
- 次の判断が早い
という状態を保っています。
まとめ:在庫対応の差は「早さ」と「考え方」
廃棄を回避できるかどうかは、
- 特別な販路があるか
- 運が良かったか
ではありません。
- 早く気づく
- 小さく動く
- 外部の選択肢を持つ
この積み重ねが、
結果として 大きなロスを防いでいる のです。