イベント用途食品が余りやすい理由まとめ
― なぜ“計画通り”にいかないのか、現場構造から読み解く ―
食品イベント向けに仕入れられる食材は、
通常の業務用食品や小売向け商品とは
まったく異なる前提条件のもとで動いています。
そのため、
どれだけ慎重に計画しても、
一定の余剰在庫が発生しやすい構造を持っています。
これは担当者のミスでも、
需要予測の甘さでもありません。
ここでは、
イベント用途食品が余りやすい理由を
現場構造の視点から整理します。
① 来場者数が「読めない」前提で仕入れざるを得ない
イベント食品の最大の特徴は、
需要が事前に確定しない という点です。
・天候
・曜日
・立地
・同時開催イベント
・メディア露出
これらの要因で、
来場者数は簡単に大きく変動します。
そのため現場では、
「足りなかったら致命的」
「途中で追加調達できない」
という理由から、
どうしても多めの数量を確保する判断になります。
結果として、
・想定より来場者が少なかった
・売れ行きが後半鈍った
といった場合、
余剰在庫が発生します。
② 「欠品NG」という強いプレッシャー
イベントでは、
・途中で売り切れる
・目玉商品がなくなる
という事態は、
クレームやブランド評価の低下につながります。
そのため、
「余るより、足りない方が怖い」
という判断が、
ほぼすべてのイベント現場で共有されています。
この 欠品回避の心理 が、
結果として余剰在庫を生みやすくします。
③ 高単価・高付加価値食材ほど調整が難しい
イベントで使われる食材は、
・黒毛和牛
・希少部位
・輸入食材
・限定商品
など、
高付加価値なものが多い 傾向があります。
こうした食材は、
・最小ロットが大きい
・仕入れ単価が高い
・代替が効きにくい
という特性を持っています。
その結果、
・微調整ができない
・少量だけ減らすことができない
という状態になり、
数十kg〜数百kg単位で余る ことも珍しくありません。
④ イベント終了後に「再販先が限られる」
イベント用途食品は、
・特定メニュー用
・イベント専用設計
・業務用規格
であることが多く、
イベント終了後に
「そのまま別販路へ回す」
ことが難しいケースがあります。
特に、
・ブロック肉
・業務用大容量
・加工前原料
などは、
一般流通に載せづらい ため、
行き場を失いやすくなります。
⑤ 「一時保管」のつもりが在庫化しやすい
イベント終了直後は、
・撤収
・精算
・次イベント準備
で現場が非常に忙しくなります。
そのため、
「とりあえず冷凍庫へ」
「後で考えよう」
という判断になりがちです。
しかし、
・冷凍してある
・すぐに傷まない
という安心感から、
判断が後回しになりやすく、
結果として在庫が固定化していきます。
⑥ イベント用途は「継続消費」が前提ではない
通常の業務用食品は、
・定期発注
・継続使用
・在庫回転
が前提です。
一方、イベント用途食品は、
・期間限定
・単発消費
・一度きり
が基本構造です。
つまり、
次に使う予定が最初からない
という点で、
余剰が出た瞬間に
「在庫=不要品」になりやすいのです。
⑦ 社内で“在庫扱い”になりにくい
イベント用食材は、
・経費扱い
・プロジェクト単位
・一時費用
として処理されることが多く、
通常の在庫管理フローから外れがちです。
その結果、
・在庫管理の責任が曖昧
・誰が判断するのか分からない
・後回しにされやすい
という状態になり、
処理が遅れる要因になります。
余剰が出るのは「想定内」、問題はその後
ここまで見てきた通り、
イベント用途食品は、
余剰が出ること自体が、
ある意味“想定内”の構造
を持っています。
重要なのは、
・余ったことを責めること
・失敗と捉えること
ではなく、
余ったあと、どう動くか
です。
在庫を「廃棄」にしない企業の考え方
イベント用途食品で余剰を出しても、
うまく整理している企業は、
・余剰は必ず出るもの
・処理ルートを事前に想定する
・相談先を持っておく
という前提で動いています。
その結果、
・廃棄を回避
・コストを最小化
・次回イベントにも活かせる
という循環が生まれています。
まとめ:イベント食品は“余る前提”で考える
イベント用途食品は、
・読めない需要
・欠品NG
・大ロット
・単発消費
という特性から、
余剰在庫が発生しやすい構造 を持っています。
だからこそ、
・余ったときの動き方
・相談先
・在庫整理の選択肢
を持っているかどうかが、
企業としての差になります。