在庫買取を検討すべき具体的な判断基準
―「まだ売れる」と「もう危ない」を分ける分岐点―
輸入食品や業務用食品の在庫について、
多くの担当者が悩むのが次の点です。
「これは、もう在庫買取を相談すべき段階なのか?」
「もう少し自社で売る努力をするべきか?」
この判断を誤ると、
結果的に “売れるはずだった在庫が、廃棄に変わる” ことになります。
ここでは、
ベジブルに寄せられる相談事例をもとに、
在庫買取を検討すべき現実的な判断基準を整理します。
判断基準①「賞味期限の残り」ではなく「使える期間」を見る
最も多い誤解が、
- 「賞味期限はまだ◯か月ある」
という見方です。
実務では、見るべきなのは
“自社の販路で実際に使える残り期間” です。
たとえば、
- 賞味期限残り3か月
- 取引先の受け入れ基準は残り2か月以上
この場合、
実質的な販売可能期間は1か月 しかありません。
さらに、
- 新規取引先への提案
- 条件調整
- 納品スケジュール
を考えると、
「動ける期間」はさらに短くなります。
▶ 使える期間が1か月を切った時点で、
在庫買取の検討ラインに入っている
と考えるのが現実的です。
判断基準②「売れた量」より「売れなかった量」が増えている
在庫判断では、
- 今月◯個売れた
- 先月より数字は出ている
といった “売れた実績” に目が行きがちです。
しかし重要なのは、
- 今月も動かなかった在庫がどれだけ残ったか
- 倉庫内で滞留している数量が減っているか
です。
たとえば、
- 月100売れている
- しかし在庫が2,000ある
場合、
20か月分の在庫を抱えている計算になります。
▶ 売れている=安全ではなく、
在庫が減っていない=危険信号
と捉える必要があります。
判断基準③「次の仕入れ・製造」に影響が出始めている
在庫問題が本当に深刻化するのは、
- 次の商品を仕入れられない
- 次の製造計画に影響が出る
といった段階です。
具体的には、
- 倉庫がいっぱいで新商品を入れられない
- 在庫が資金を圧迫している
- 社内で在庫が話題になり始めた
この状態は、
すでに経営判断レベルの問題 になりつつあります。
▶ この段階に入ったら、
「売る努力」だけで解決しようとせず、
在庫整理という選択肢を並行して検討すべきタイミング です。
判断基準④「値下げしても動かない」兆候が出ている
多くの企業がまず行うのが、
- 値引き
- セール
- 条件緩和
です。
これは正しい判断ですが、
次の状態になったら注意が必要です。
- 値下げしても反応が薄い
- 問い合わせは来るが成約しない
- 「検討します」で終わる
これは、
- 価格ではなく
- 需要そのものが落ちている
可能性が高い状態です。
▶ 価格で動かない在庫は、
時間をかけても動かないことが多い
というのが、現場での実感です。
判断基準⑤「廃棄コスト」を具体的に計算し始めたとき
在庫買取の相談が増えるのは、
- 廃棄費用を見積もったとき
- 処分に人手がかかると分かったとき
です。
特に輸入食品・業務用食品では、
- 数量が多い
- 重量がある
- 包装が厄介
という理由で、
廃棄コストが想像以上に膨らむケースがあります。
▶ 廃棄費用を検討し始めた時点で、
在庫買取も同時に比較すべきフェーズ
に入っています。
在庫買取を相談するときに整理しておくべき情報
実際に相談する際、
事前に以下が整理されていると、
判断が非常にスムーズになります。
- 商品名・規格
- 数量(おおよそでOK)
- 賞味期限
- 保管温度帯
- 現在の保管場所
- 写真(あれば尚可)
「正確でなくてはいけない」
「資料を完璧にそろえなければいけない」
ということはありません。
▶ “現状が分かるレベル”で十分 です。
まだ在庫買取を急がなくてよいケースもある
すべての在庫が、
すぐに買取相談すべきとは限りません。
たとえば、
- 明確な販売先がすでに決まっている
- 出荷スケジュールが確定している
- 在庫量が極端に少ない
こうした場合は、
まず自社での消化を優先すべきです。
重要なのは、
「相談=必ず売る」ではない
という点です。
相談することで、
- 判断材料が増える
- 社内での選択肢が整理できる
という効果もあります。
まとめ:判断を早めるほど、選択肢は増える
輸入食品・業務用食品の在庫問題は、
- 判断が早いほど
- 数量が少ないほど
- 期限に余裕があるほど
対応の選択肢が広がります。
逆に、
- ギリギリまで粘る
- まとめて処理しようとする
ほど、
「廃棄」という選択に近づいていく のが現実です。